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契約を締結したものの、

「取引を終了することになった」
「契約期間の途中だけれど、双方の合意で契約を終わらせたい」
「口頭では終了することで合意しているが、書面にも残しておきたい」

ということがあります。

このように、契約当事者双方が合意して契約を終了させる場合には、契約解除に関する覚書(合意解除の覚書)を作成しておく方法があります。

契約を終了すること自体だけでなく、

  • いつ契約を終了するのか

  • 未払いの報酬や未履行の業務をどうするのか

  • 契約終了後にも残る義務があるのか

  • そのほかに債権債務が残っていないか

などを明確にしておくことで、契約終了後のトラブルを防ぎやすくなります。

この記事では、契約を双方の合意によって終了させる際に作成する「契約解除に関する覚書」の書き方と注意点を解説します。

契約解除に関する覚書の無料ひな形

契約を当事者双方の合意によって終了する場合に使用できる、契約解除に関する覚書のひな形を用意しました。

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このひな形では、主に次の事項を定めています。

  1. 原契約を終了する日

  2. 契約終了時点で残っている債権債務

  3. 契約終了後も履行する債権債務

  4. それ以外の債権債務が存在しないこと

  5. 疑義が生じた場合の協議

実際の契約内容によって必要な条項は異なるため、利用する際には原契約の内容に合わせて修正してください。

契約解除に関する覚書とは?

契約解除に関する覚書とは、既に締結している契約について、当事者双方が合意して契約を終了することや、その終了条件を書面にしたものです。

たとえば、1年間の業務委託契約を締結しているものの、契約期間の途中で双方が「来月末で取引を終了しよう」と合意した場合などに作成します。

今回のひな形でも、

「原契約の有効期間の定めにかかわらず、指定した日付で原契約を合意解除する」

という形で契約の終了日を定めています。

「合意解除」と一方的な「解除」は違う

契約を終了させる場面では、「解除」という言葉が同じように使われることがありますが、その方法は同じとは限りません。

民法では、契約または法律によって解除権を持つ当事者が解除する場合、相手方に対する意思表示によって解除を行うことが定められています。また、債務不履行がある場合には、一定の条件のもとで催告による解除や催告を要しない解除が認められています。

これに対して、今回のひな形が想定しているのは、どちらか一方が解除権を行使するケースではありません。

「甲と乙が話し合った結果、双方が契約を終了することに合意した」

というケースです。

そのため、「相手が契約違反をしたので一方的に解除したい」という場合に、このひな形をそのまま使用することは適切ではありません。

覚書を作成した方がよい理由

双方が円満に契約終了について合意しているのであれば、

「わざわざ書面を作らなくてもいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、契約終了時には意外と多くの事項が残っています。

たとえば業務委託契約であれば、

  • 最終月の委託料がまだ支払われていない

  • 納品予定の商品が残っている

  • 秘密保持義務は契約終了後も続く

  • 貸与品を返却する必要がある

などです。

「契約を終了する」という点だけを確認しても、こうした事項について認識が違えば、後になってトラブルになる可能性があります。

そのため、契約終了の際には、終了日だけではなく、契約終了時点で残っている権利や義務についても整理して書面に残しておくことが重要です。

第1条では「いつ契約を終了するのか」を明確にする

今回のひな形の第1条では、原契約を合意解除する日を定めます。

たとえば、

「2026年8月31日付で原契約を合意解除する」

という形です。

原契約に、

「契約期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで」

と書かれていたとしても、双方が途中で契約終了に合意する場合には、その合意内容を覚書に残しておきます。

特に重要なのは、契約終了日を具体的な日付で記載することです。

「8月末ごろ」「業務終了後」など曖昧な表現ではなく、年月日まで記載しておく方が明確です。

第2条では残っている債権債務を確認する

契約解除の覚書で特に重要なのが、契約終了時点で残っている債権債務の整理です。

今回のひな形では、

  • 甲から乙へ支払うべき業務委託料

  • 乙から甲へ引き渡すべき商品

など、契約終了時点でまだ履行が終わっていないものを記載できるようにしています。

契約を終了したからといって、それ以前に発生したすべての権利義務が当然になくなるとは限りません。

そこで、

「契約は終了するが、この支払いや引渡しについては引き続き履行する」

ということを覚書で明確にしておきます。

残っている債権債務は具体的に書く

たとえば、

「未払いの報酬」

だけではなく、

「2026年8月分の業務委託料として金○○円」

など、可能な限り具体的に記載した方が分かりやすくなります。

必要に応じて、

  • 金額

  • 支払期限

  • 振込先

  • 納品物

  • 納品期限

  • 返却する物品

なども記載するとよいでしょう。

「そのほかに債権債務がない」ことも確認する

今回のひな形では、記載した債権債務以外について、原契約に関して相互に債権債務が存在しないことを確認する条項を設けています。

これは非常に重要です。

契約終了後に、

「そういえば、あの費用も払ってほしい」

「こちらには別の請求権がある」

といった話が出てくることを防ぐためです。

ただし、実際に未精算の債権や未履行の義務が残っているにもかかわらず、「その他一切の債権債務がない」と記載してしまうと問題になる可能性があります。

覚書を締結する前に、原契約や請求書、納品状況などを確認しておきましょう。

契約終了後も残したい条項を確認する

原契約には、

  • 秘密保持

  • 個人情報の取扱い

  • 知的財産権

  • 損害賠償

  • 競業避止

  • 合意管轄

などについて、契約終了後も効力を存続させる条項が定められていることがあります。

このような条項がある場合には、契約を終了させる覚書を作成する際にも、

「原契約第○条は、本契約終了後も有効に存続する」

などの条項を追加することを検討します。

今回の無料ひな形はシンプルな汎用版のため、すべての契約に共通しない条項までは記載していません。

原契約の内容を確認し、必要に応じて修正してください。

覚書に収入印紙は必要?

「契約解除に関する覚書にも収入印紙が必要なのか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

国税庁は、契約の消滅の事実のみを証明する解約合意書などについては、印紙税の課税対象にならないと案内しています。

ただし、「覚書」というタイトルだから印紙が不要になるわけではありません。

国税庁によれば、文書が課税文書に該当するかどうかは、その名称ではなく、記載されている内容の実質によって判断されます。

また、原契約の重要な事項を変更する内容を覚書に記載した場合には、その覚書自体が課税文書に該当する場合があります。

したがって、契約終了の確認だけではなく、契約金額や契約期間などの変更を伴う覚書を作成する場合には、個別に印紙税の確認が必要です。

契約解除に関する覚書の書き方

今回のひな形を利用する場合は、まず冒頭に、

  • 契約当事者

  • 原契約を締結した日

  • 原契約の名称

を記載します。

たとえば、

「株式会社○○(甲)と株式会社△△(乙)は、2026年4月1日に締結した業務委託契約について……」

という形です。

そのうえで、

  1. 契約終了日

  2. 契約終了時点で残っている債権債務

  3. 契約終了後も適用する原契約の条項

  4. その他に債権債務がないこと

などを確認していきます。

最後に日付を記載し、甲乙双方が記名押印して、それぞれ1通ずつ保管します。今回のひな形も、本書2通を作成し、双方が保有する形式です。

契約解除の覚書を作成するときの注意点

原契約を必ず確認する

最初に確認すべきなのは、終了させる原契約です。

原契約に、

  • 契約期間

  • 中途解約

  • 契約解除

  • 違約金

  • 契約終了後の義務

などが定められていることがあります。

原契約を確認せずに覚書だけを作ると、両者の内容が矛盾してしまう可能性があります。

未払い・未履行のものを洗い出す

契約終了日だけ決めて安心せず、

「お金の支払いは全部終わっているか」

「納品や返却が残っていないか」

を確認します。

残っているものがあれば、覚書に明記しておきましょう。

一方的な解除にはそのまま使わない

今回のひな形は双方が契約終了に同意している場合の合意解除用です。

相手方が契約終了に同意していない場合や、債務不履行等を理由として解除権を行使する場合には、解除の要件や通知方法などを別途検討する必要があります。

民法上の解除については、催告後の解除や一定の場合の無催告解除などが規定されています。

契約解除に関する覚書についてよくある質問

Q.口頭で契約終了に合意していれば、覚書は必要ありませんか?

口頭でも契約は成立します。

必ず覚書を作らなければ契約を終了できないとは限りません。

しかし、終了したことを証明できかったり、契約終了日や未払い金などについて後から認識の違いが生じる可能性があります。

重要な契約については、合意内容を書面に残しておくことをおすすめします。

Q.「契約解除」と「契約終了」はどちらの言葉を使えばよいですか?

重要なのはタイトルそのものよりも、覚書に記載する内容です。

今回のひな形は、当事者双方が合意して契約を終了させる内容であるため、「契約の合意解除に関する覚書」「契約終了に関する覚書」などのタイトルも考えられます。

Q.すでに契約期間が終了している場合にも使えますか?

今回のひな形は、主として契約期間の途中で双方が合意して契約を終了させる場面を想定しています。

既に契約期間が満了している場合には、「解除」ではなく、契約終了の確認や精算事項を定める覚書の方が適している場合があります。

Q.覚書だけ作れば原契約は捨ててもいいですか?

原契約は保管しておきましょう。

覚書では原契約を特定した上で、その契約を終了させたり、一部の債権債務を存続させたりするため、原契約と覚書をセットで保管しておくことが重要です。

まとめ

契約を双方の合意によって終了させる場合には、口頭だけで済ませず、契約解除に関する覚書を作成しておくことで、契約終了後のトラブルを防ぎやすくなります。

特に確認しておきたいのは、

  • いつ契約を終了するのか

  • 未払い・未履行の債権債務が残っていないか

  • 契約終了後も残る義務がないか

  • そのほかに請求関係が残っていないか

という点です。

今回掲載しているひな形は、さまざまな契約に利用できるようシンプルな内容としています。

実際の契約内容によって必要な条項は異なりますので、原契約を確認した上で利用してください。

フリューゲル行政書士事務所では全国の契約書業務を承ります

フリューゲル行政書士事務所では契約書・規約の作成、チェックを2万円均一で承っております。

契約の合意解除に関する覚書についてもお客様の事情に沿ったものを作成することができます。

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