自動車販売店・ディーラー様では、車両の販売に伴い、新規登録や移転登録などの自動車登録手続が必要になります。
自動車登録は、単に書類を運輸支局等へ提出するだけではありません。
登録の種類を確認し、必要書類をそろえ、申請内容を正確に作成したうえで手続きを進める必要があります。案件によってはナンバープレートの変更や封印なども関係します。
また、2026年1月1日に施行された改正行政書士法を踏まえ、自動車販売会社様が自社で行っている登録関係書類の作成についても、改めて確認しておく必要があります。
この記事では、自動車販売店・ディーラー様が自動車登録を行政書士へ依頼すべき理由について、実務と行政書士法の両面から解説します。
※この記事は2026年8月時点の法令・制度等に基づいています。
自動車登録にはさまざまな手続がある
ひとことで「自動車登録」といっても、必要となる手続は状況によって異なります。
代表的なものには、次のような手続があります。
新規登録
新車や、一度登録を抹消した中古車など、ナンバープレートが付いていない自動車を登録する手続です。
新車を販売するディーラー様にとっては、日常的に関わることの多い登録手続の一つです。
移転登録
自動車の売買などによって所有者が変わった場合に行う手続です。
一般に「名義変更」と呼ばれることもあります。
中古車販売では特に関係する機会の多い手続です。
変更登録
所有者の氏名・名称、住所、使用の本拠の位置など、登録されている内容に変更が生じた場合に行います。
抹消登録
自動車の使用を一時的に中止する場合や、自動車を解体した場合などに行う手続です。
このように、自動車登録は販売する車両やお客様の状況によって必要となる手続が異なります。
自動車販売店・ディーラー様が自動車登録を行政書士に依頼するメリット
自動車登録を行政書士へ依頼することには、販売店様の負担軽減だけでなく、登録手続を適切に進めるうえでもメリットがあります。
1.登録書類の作成・確認を任せられる
自動車登録では、手続の種類に応じて必要な書類が異なります。
例えば、売買に伴う移転登録では、車検証だけでなく、譲渡証明書や委任関係の書類などを確認しながら手続きを進める必要があります。
所有者と使用者が異なる場合や、法人名義の自動車などでは、さらに確認すべき事項が増えることもあります。
行政書士へ依頼することで、手続内容に応じた必要書類の確認や登録申請書の作成を任せることができます。
2.販売担当者様が本来の業務に集中しやすくなる
自動車販売店様の仕事は、登録業務だけではありません。
販売担当者様には、
・商談
・車両の説明
・見積りや契約
・下取り
・納車準備
・既存のお客様への対応
など、さまざまな業務があります。
登録書類の作成や確認、運輸支局等での手続に時間を使えば、その分だけ販売やお客様対応に使える時間が少なくなります。
自動車登録を行政書士へ外注することで、販売担当者様が本来の業務に集中しやすい体制をつくることができます。
3.遠方のお客様への販売にも対応しやすい
販売店舗と、お客様の住所や自動車の使用の本拠が同じ地域とは限りません。
インターネットを通じた中古車販売などでは、県外のお客様へ自動車を販売することもあります。
その場合、販売店様から離れた地域の運輸支局等で登録手続が必要になることがあります。
登録する地域に対応できる行政書士を利用することで、販売店様自身が遠方の運輸支局等へ出向く負担を減らすことができます。
4.OSSによる電子申請にも対応できる
自動車登録には、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を利用できる手続があります。
OSSでは、新車新規登録、中古車新規登録、移転登録、変更登録、一時抹消登録など、さまざまな自動車関係手続をオンラインで申請することができます。
また、委任によって行政書士等の代理人へOSS申請を依頼することも可能です。
自動車関係業務では電子申請の利用が進んでいるため、販売店様がすべての申請環境や手続方法を自社で整えるのではなく、行政書士を活用する方法も考えられます。
5.補正などが発生した場合の対応を任せやすい
自動車登録では、申請内容に不足や誤りがあれば、補正が必要になる場合があります。
その場合、登録スケジュールに影響する可能性もあります。
行政書士へ依頼しておけば、必要書類や申請内容を事前に確認したうえで申請し、不備があった場合の対応についても相談できます。
特に納車日が決まっている案件では、登録手続を予定どおり進めることは重要です。
ナンバー変更や封印が関係する場合もある
自動車登録の内容によっては、ナンバープレートの変更が必要になる場合があります。
普通自動車では、後面のナンバープレートに封印が取り付けられます。
行政書士の中には、一定の要件のもとで出張封印に対応できる行政書士もいます。
出張封印を利用できる案件では、登録後に自動車を運輸支局等へ持ち込む負担を軽減できる場合があります。
自動車販売店様にとっては、登録申請だけでなく、ナンバープレートや封印まで含めて手続の流れを検討することが重要です。
2026年施行の改正行政書士法と自動車登録
自動車販売店・ディーラー様に確認していただきたいのが、2026年1月1日に施行された改正行政書士法です。
改正により、行政書士法第19条第1項の業務制限規定について、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という趣旨が明確化されました。
これは、2026年から突然、自動車販売会社による書類作成がすべて新たに禁止されたという意味ではありません。
従来からの行政書士法の考え方について、報酬の名目を問わないことがより明確にされたものです。
自動車登録申請書を販売店側で作成する場合は注意
日本行政書士会連合会は2026年7月、自動車登録等の手続について、「行政書士法違反になるものと考えられる例」を公表しています。
その中では、自動車販売会社の販売員が、自社で販売した車両についてお客様の自動車登録申請書を作成する場合について、作成費用を「無料」としていても、車両販売代金や整備代金等に報酬が含まれていると考えられることから、行政書士法違反になるものと考えられるとの見解が示されています。
つまり、
「登録書類作成料を別途請求していない」
「購入者への無料サービスとして作成している」
という理由だけで、行政書士法との関係で問題がないと判断できるわけではありません。
顧客情報・車両情報を使った申請書作成にも注意
現在の自動車販売では、お客様の氏名・住所や車両情報などを社内システムで管理している販売店様も多いでしょう。
日本行政書士会連合会が公表した具体例では、自動車販売会社の販売員が、自社の顧客情報や車両情報等のデータベースを利用して自動車登録申請書を作成する場合についても、行政書士法違反になるものと考えられる例として示されています。
そのため、
「手書きで申請書を作っていないから問題ない」
ということではありません。
社内システムから情報を転記・出力する場合を含め、登録申請書を誰が作成しているのかを確認する必要があります。
登録申請後の追記・訂正・補正にも注意
注意が必要なのは、最初の申請書作成だけではありません。
日本行政書士会連合会が公表した具体例では、自動車販売会社の販売員が、自動車登録申請書や添付書類を運輸支局等へ提出した後に、
・記載内容を追記する
・記載内容を訂正する
・記載内容を補正する
といった行為についても、行政書士法違反になるものと考えられるとされています。
そのため、自動車販売店様では、
「最初の書類を誰が作るか」
だけでなく、
「申請後に補正等が必要になった場合、誰が対応するのか」
まで含めて業務フローを確認しておくことが重要です。
車庫証明と自動車登録は別の手続
自動車販売に伴う行政手続では、車庫証明と自動車登録が連続して必要になることがあります。
しかし、この2つは同じ手続ではありません。
車庫証明は、主に自動車の保管場所について警察署で行う手続です。
一方、自動車登録は、新規登録や移転登録、変更登録などを運輸支局等で行う手続です。
そのため、それぞれに必要な書類や手続方法が異なります。
車庫証明について行政書士へ依頼するメリットについては、「自動車販売店・ディーラーが車庫証明を行政書士に依頼すべき理由」で詳しく解説しています。
車庫証明から自動車登録までまとめて相談する方法もある
案件によっては、
車庫証明
↓
自動車登録
↓
ナンバープレート・封印
という流れで手続を進めることになります。
これらを別々に管理すると、販売店様側で複数の手続の進捗を確認する必要があります。
車庫証明と自動車登録の両方に対応している行政書士へ依頼すれば、一連の手続についてまとめて相談することもできます。
特に継続的に登録案件が発生する自動車販売店様では、自社で行う作業と行政書士へ依頼する作業をあらかじめ整理しておくことで、登録業務を効率化しやすくなります。
行政書士への依頼はコンプライアンス体制の整備にもつながる
自動車登録を行政書士へ依頼するメリットは、単に「運輸支局へ行かなくて済む」ということだけではありません。
2026年の改正行政書士法や、日本行政書士会連合会が公表した自動車登録等に関する具体例を踏まえると、自動車販売店様では、
・登録申請書を誰が作成するのか
・顧客情報や車両情報から誰が申請書を作成するのか
・申請後の追記・訂正・補正を誰が行うのか
・どの部分を行政書士へ依頼するのか
といった業務分担を明確にしておくことが重要です。
行政書士を活用することは、販売担当者様の負担軽減だけでなく、自動車登録業務のコンプライアンス体制を整理するという意味でも検討する価値があります。
単発・継続どちらの自動車登録も行政書士に相談できる
行政書士への依頼方法は、販売店様の業務量や社内体制によってさまざまです。
例えば、
・特定地域の登録だけ依頼する
・遠方のお客様の登録だけ依頼する
・繁忙期だけ依頼する
・車庫証明と登録をまとめて依頼する
・継続的に登録案件を依頼する
といった方法が考えられます。
すべての業務を行政書士へ任せる必要があるということではありません。
販売店様側で行う業務と行政書士へ依頼する業務を整理し、それぞれの販売店様に合った方法で活用することが重要です。
自動車販売店・ディーラーが自動車登録を行政書士に依頼すべき理由まとめ
自動車販売店・ディーラー様が自動車登録を行政書士へ依頼することには、
・登録書類の作成・確認を任せられる
・販売担当者様が本来の業務に集中しやすくなる
・遠方のお客様への販売に対応しやすくなる
・OSSによる電子申請を活用できる
・補正等が発生した場合にも対応を相談できる
・行政書士法を踏まえた業務分担を整理しやすくなる
といったメリットがあります。
自動車登録には、新規登録、移転登録、変更登録、抹消登録などさまざまな手続があり、案件によって必要となる書類や対応も異なります。
また、2026年1月に施行された改正行政書士法を踏まえ、自動車販売会社様では、登録申請書の作成や申請後の補正等を誰が行っているのか確認しておくことも重要です。
販売担当者様の負担を減らしながら、適切な登録手続を進めるためにも、行政書士の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
自動車販売店・ディーラー様からの自動車登録のご依頼について
フリューゲル行政書士事務所では、自動車販売店・ディーラー様からの自動車登録に関するご相談を承っています。
新規登録、移転登録、変更登録など、自動車販売に伴う各種登録手続についてご相談いただけます。
また、車庫証明と自動車登録をあわせたご相談や、単発の案件だけでなく継続的なご依頼についても対応しています。
車庫証明の申請代行についても対応していますので、詳しくは「自動車販売店・ディーラーが車庫証明を行政書士に依頼すべき理由」をご覧ください。
自動車登録を依頼できる行政書士をお探しの自動車販売店・ディーラー様は、フリューゲル行政書士事務所までお気軽にお問い合わせください。
